キャリア

公認会計士のキャリア、転職(経理、コンサル、金融、CFO、FAS)

公認会計士のキャリアと具体的な転職についてご紹介致します。私は転職のために20以上の転職エージェント、ヘッドハンターと連絡を取りました。私は情報で負けることは絶対に嫌だと思い、徹底的に情報収集しました。転職について悩みに抜いた経験から、公認会計士の最新の転職事情についてはかなり詳しいと自負しております。

今回は公認会計士のキャリアについて書き、次回の記事では転職に向けた具体的な準備や転職サイト、エージェントの選び方について書きます。

公認会計士はどこで働いているのか

公認会計士の3人に1人がBIG4にいる

2018年6月時点で公認会計士は30,363人いますが、
BIG4にいる公認会計士数は約10,500人です。

つまりBIG4にいるのは3人に1人、ということですね

公認会計士のほとんどが、監査法人でキャリアをスタートする

BIG4にいる公認会計士試験合格者数は合わせて4000人程度です。各年の合格者数は1050人から1250人程度であり、準会員は最初の3, 4年程度しかやらないと考えると、合格者のうち8から9割はBIG4に入ると考えて良さそうです。そして、BIG4以外の監査法人に行く方もいらっしゃいますから、合計すると9割以上が監査法人に行っているのではないでしょうか

転職理由は人それぞれ

公認会計士試験合格者は、合格の2年後と3年後に転機があります。

  • 2年経つと実務経験を満たすので、監査法人にいる必要がなくなります。
  • 3年経つと修了考査を終えて、うまくいけば公認会計士として開業登録することができます。

特に3年後から、明らかに監査法人を辞める人が多くなります。

ポジティブな転職理由

  • もっと給料が高いところが良い
  • もっと楽しい仕事がしたい
  • より頭を使う職場で成長したい
  • CFOなどとして経営寄りのことをしたい

ネガティブな転職理由

  • 残業がつらい
  • 仕事がつらい、つまらない
  • 周りの人と合わない
  • ハラスメントを受けた
  • 仲良い人がどんどん辞めていく

ポジティブな理由で転職する人もいますし、ネガティブな理由で転職する人もいますが、多くの人は両方を感じていると思います。転職は恥ではありません。公認会計士の特性上、修行のために監査法人に行っていますが、興味がないのであれば早くやめるべきです。

公認会計士の資格が一番生きるのは監査法人

直接的、という意味では公認会計士資格は監査法人で最も生きます。なぜなら、公認会計士は会計と監査の専門家であり、その両方を行っているのは監査法人だからです。しかし、それを承知の上で、キャリアアップのために別の強みを身につけることもできますし、一方の知識を別の知識を組み合わせることによって、公認会計士は色んなところで活躍する素質を備えています。

公認会計士の転職先の個別の検討

ここから、転職先を検討していきます。

転職サービス、エージェントの活用方法、比較についてはこちらの記事に書いています。転職サービスは絶対に使うべきものがあります。これから紹介する転職先それぞれに強い転職エージェントも記載しています。

上場企業の経理

上場企業の経理というのは、公認会計士からすると最も馴染みがある転職先でしょう。監査法人より福利厚生が充実していることが多いですし、仕事は監査法人より緩やかで、自分のペースで働きやすいと言われています。

マイナビ会計士で聞いたところ、公認会計士でマイナビ会計士を訪れる人の多くは、監査法人の仕事が体力的につらくて、年収が100万円下がっても良いから楽な職場に行きたい、というものだそうです。そうすると、上場企業の経理というのはぴったりな転職先です。

幸いなことに、上場企業の経理のポジションは多くあります。だいたい年収は600万円から800万円が多く、監査法人と比べてあまり多く稼げる印象はありません。むしろ下がる傾向はあります。しかし、監査法人と比較して仕事は楽なので、ワークライフバランスを得られます。

仕事内容は決算資料の作成や内部統制の構築などですが、会社に応じていろんな仕事があるみたいです。職務内容を決めつけず、いろいろと質問してみるとおもしろいと思います。例えば、海外子会社の管理などの業務はマネジメント寄りの仕事もあり、楽しそうだと感じました。

ベンチャーのCFO(候補)

公認会計士のキャリアで直線的に思いつくものにはCFOがあります。ベンチャー企業の社長はビジネスセンスはあっても、経理、総務、労務、法務などはよく分からず、社長の右腕としてそれらを担当してくれる公認会計士を求めてることがあります。

ベンチャーCFOは大変なこともありますが、やりがいも大きいものと思います。それにIPOまでいけばリターンも大きいでしょう。

とあるスタートアップ専門のエージェントが言っていたのは、目安として

CXO 1200-1500万円
執行役員 1000万円
マネジャー 800万円
リーダー 600万円
メンバー 400-500万円

監査法人の給与は最初数年が600万円程度、4,5年目から800万円以上ですから、それなりに高いです。監査法人から移ると通常100万円以上のディスカウントです。
対価はやりがいとストックオプションです。ベンチャーでは、経理のみならず総務、法務、人事の何でも屋になり、給料は下がり、仕事量は増えます。

でも、目先の待遇で判断するのはナンセンスです。そして、スタートアップに行った人たちには、なんだかんだ楽しそうにしている人が多い印象です(つらそうにしてる人もいます)。

ですから、自分が本当にスタートアップに行きたいのかを突き詰めて考えて、ストックオプションの内容について事前に合意しておければ、良い選択肢と言えるでしょう。ここでメルカリの事例を紹介します。

この記事によると、メルカリのIPOでは600人以上にストックオプションが付与され、トップ35人は6億以上で、平均3200万円らしいです。スタートアップの人は夢を見せるためによくメルカリを引き合いに出しますが、そこまで行くベンチャーってかなり少ないと思います。

スタートアップに転職した会計士に、自分が持っているストックオプションは上場すれば10億円になると言っている人がいました。しかし、彼はその会社に30人目くらいで入社していました。例えば、彼のSOが1%相当をタダで貰えるものだったと仮定しましょう。すると、1%が10億円ですから、会社の時価総額が1000億円にならないといけません。PER20倍だとすれば、年間利益が50億円必要です。自分が転職する会社はそこまで行けるでしょうか?もちろん行ける会社もあるでしょうが、甘い言葉だけに踊らされず、冷静に考えることが必要です。

その上で、成長性がある企業に転職することが必要だと思います。リスクは高いですが、しっかり見極めて、良い企業に入ればリターンも爆発的に多い可能性がるので、夢がある仕事です。

金融機関

これは金融機関を監査していた人に多いです。もっと金融の本格的なことがやりたい人が行くこともありますし、例えばゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった外資系(投資)銀行にも転職していく人がいます。

外資系(投資)銀行

外銀はフロント、ミドル、バックオフィスと分かれていると一般的には言われています。部署名がややこしいですが、いわゆるファイナンス(財務部)とかコントローラーが典型的なバックオフィスです。外銀のバックオフィスはフロントに比べて働きやすく、かつ監査法人より給料が高いです。

外銀は全てが高いです。フロントの人は20代でも数千万円を貰う人が当たり前のようにいます。バックオフィスはそこまではもらえませんが、バックオフィスであっても30歳で2,000万円貰う人がいますし、経理の中では圧倒的に高いと言えます。

しかし、ここに入るのもなかなか大変です。金融機関の会計監査経験と、ビジネスレベルの英語は必須でしょう。求められる英語レベルは高くありませんが、会社によっては英語面接もあります。
それに、この労働量でこれ以上稼げるところがないので、コントローラーはなかなか辞めません。つまりポジションの空きが出ないんです。だから転職には運もあります。たまたま空いてたら入れるし、空いてなければ優秀でも入れません。だから早くからエージェントと情報交換し、空きが出たら直ぐにアプライできるようにしておくと良いでしょう。

投資銀行部門の採用はさらに狭いので、ほぼ不可能と思った方が良いでしょう。IBDの中途採用は各社年間数人しかありません。そして、ここには他のIBDでゴリゴリやってきた人が群がります。例えば、野村のIBDです。野村IBDで5年目くらいの人が外銀を受け、なんとか合格すると、外銀の2年目として入社します。3年も年次が下がり、これをディスカウントと呼んでいます。しかし、それでも給料はあがります。それほどまでに日系と外資系では給与が違います。

別にこれを聞いて絶望する必要はありません。エクイティアナリストのようなところなら入れる可能性がありますし、一旦、野村のIBDや、有名M&Aアドバイザリーファームなどを経由して行く方法もあります。GCAを経由してゴールドマン・サックスに入った方の記事が参考になるでしょう。

その他の金融機関

仕事内容によって異なると思いますが、公認会計士が転職するとなると経理が多いでしょう。経理であれば、金融機関の会計監査業務をしていて、英語がそれなりにできれば問題なく転職できると思います。

コンサルティングファーム

公認会計士はコンサルに転職する人もそれなりにいます。というか、最近はコンサルタントが多すぎます。なんかBtoBでクライアントと仕事するビジネスをすべてコンサルと呼んでいるのではないかと感じるくらいです。そんな中でも、一般的によく言われるコンサルティングファームをすこしリストアップしてみます。

戦略コンサルティングファーム

  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)
  • ベイン・アンド・カンパニー
  • A.T.カーニー
  • ローランド・ベルガー
  • アーサー・D・リトル
  • ドリームインキュベータ

会計系総合コンサルティングファーム

  • デロイトトーマツコンサルティング
  • PwCコンサルティング
  • EYアドバイザリーアンドコンサルティング
  • KPMGコンサルティング

IT系総合コンサルティングファーム

  • アクセンチュア(旧アンダーセンコンサルティング)
  • アビームコンサルティング(デロイトトーマツから分離独立)

シンクタンク

  • 三菱総合研究所
  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 日本総合研究所
  • 野村総合研究所
  • みずほ総合研究所
  • 大和総研

その他

  • ベイカレント・コンサルティング(元システム開発会社)
  • フロンティア・マネジメント
  • 経営共創基盤
  • シグマクシス
  • シンプレクス

この他にもいろいろあると思いますし、今までのような戦略、総合、ITなどの分類もあまり役に立たない時代だと思います。

最近はどこも積極採用の印象を受けます。BIG4では財務系のコンサルティングも多く手がけていますから、転職も比較的容易です。もちろん、戦略やマネジメント・コンサルティング、サプライチェーンなどのオペレーションのコンサルティングなど、いろんな可能性があります。

BIG4内での異動、出向

ここまで転職先を紹介してきましたが、とはいえ転職にはリスクがあります。そこで、低リスクで仕事を変えるためにBIG4内で別のキャリアを探すという手があります。有名なのはTAX、FAS、コンサルなどです。

  • TAXは税務を行うところなので、言わずもがなでしょう。
  • FASはM&Aを扱うところです。デューデリジェンスなどを行いますが、実際には投資銀行などがFAとして入っていて、FASはそのおこぼれをもらうみたいな形になることが多いようです。それでもそれなりに単価は高いですし、仕事量は多いですが成長できます。
  • コンサルも業務内容は特に説明不要かと思います。コンサルの規模はBIG4によって大きく異なります。具体的には、DTC, PwCが大きく、EY, KPMGは小さいです。

所属するBIG4内で転職するメリット

  • 監査法人所属のまま、出向扱いで業務内容を変えられる
  • 出向扱いでTAXやFASやコンサルに行けば、給与待遇を変えないことが可能になる
  • 出向先の業務が嫌になっても、戻ってこられる

所属するBIG4内で転職するデメリット

  • 異動に時間がかかることがある

 

低リスクで仕事内容を変えたい人にとっては、グループ企業内で異動するというのも良い選択肢です。

転職エージェントを使わないとなぜ損なのか?

エージェント使う気満々の人はここはスキップして、下の記事に進んでください。そうでない方向けに、なぜエージェントを使うべきなのかを書いていきます。

今後こちらで解説いたします。

マイナビ会計士
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エージェントの利用にお金はかからない

まず、転職エージェントのビジネスモデルですが、エージェントは転職する人から一切お金を取りません。
転職が決まった段階で企業から年収の20%から30%程度を紹介手数料として受け取ります。だから求職者からすると、エージェントはタダで色々やってくれるいい人です。

企業からするとどうでしょうか?全く同じ評価の人が、エージェント経由で1人、直接で1人来たと仮定してください。すると、エージェント経由で来た人を採用すると年収700万円として30%の210万円をエージェントに払う必要がありますが、直接来てくれた人を採用すればエージェントに払う手数料はゼロです。これなら直接来た人を採用するでしょう。

ではエージェントを使わずに直接応募したほうが良いのでしょうか?

例えば、別のBIG4に転職するなど、行き先に知り合いがたくさんいて、面接に関しても十分な情報を得ている場合は直接応募しても問題ないでしょう。

しかし、そうでない場合はエージェントを利用する方がベターです。その理由はいろいろあります。

エージェントは多くの情報を持っている

エージェントは多くの企業と継続的にやり取りをしているため、転職先のオープンポジションについて多くの知識を持っています。また、多くの人を同一企業に送り込んでいるエージェントであれば、転職した人ともコネクションを持っていることも多く、転職後にどのような期待ギャップがあったかなども教えてくれます。

転職は情報戦です。なので、漠然と1年以内に転職したいと思った段階でも、一度話を聞いておくと転職への具体的イメージが湧くと思います。転職の意志が固いのであれば、企業の個別具体的なことについても教えてもらえます。

履歴書、職務経歴書の添削、面接対策をしてくれる

エージェントによっては、履歴書の添削や面接対策を行ってくれます。これにより、直接行くよりも見栄えが良くなります。同じ実力でも、小手先の見せ方みたいなやつで変わってしまうことがあります。

先程、同じ実力なら企業は直接来た(エージェントを経由していない)人を採用したいと書きました。しかし、誰も添削していない履歴書を提出し、面接で何が聞かれるかも知らないまま行った場合と、エージェントの十分な指導を受けて行った場合で実力は同じに見えるでしょうか?

面接の内容にもよりますが、転職難易度が高い企業になるほど、面接対策の有無による差が開きます。私はエージェントの添削を受けていない履歴書、職務経歴書をとある中堅コンサルティングファームに提出しましたが、書類落ちしました。入りやすい企業であると聞いていた企業なので、これにはショックを隠せませんでした。あなたがどんな資格を持っていても、書類のフォーマットを整えることは大切なのです。

キャリアカウンセリングをしてくれる

エージェントは求職者の味方です。キャリア相談などもしてくれるので、自分が知らない会社を紹介してくれることも多々あります。自分が知らないところで自分のスキルが必要とされていることがあるので、転職先に少しでも悩んでいるなら相談に行った方が良いでしょう。

直ちに転職の意思がなくても、1年以内くらいにあれば、話を聞いてくれるところがあります。面談の予約をする前に素直に伝えておくとスムーズです。

転職エージェント選びの徹底解説

今後こちらで解説いたします。

マイナビ会計士
転職サイト・転職エージェント選び決定版!30社と面談してわかった結論BIG4と呼ばれる会計系総合ファームに入社して2年ちょっとで転職したいと強く思うようになりました。私は転職で絶対に失敗したくなかったため、30社以上の転職エージェントと面談を行い、転職エージェントについて徹底的に調べあげました。多くの転職サイトにも登録し、転職してキャリアアップするためにすべてを行いました。...