キャリア

AIと仕事の”スマイル”な関係

会計業界は現在、AIによる変革の真っただ中にいます。以下は1月24日(木)に日本の大手四監査法人によって共同宣言された監査業界が取り組むべき4つのコミットメントです。

1. 財務報告と監査の信頼性向上に向けた取組み

2. 情報技術への積極的な投資

3. 国際感覚を有する会計人材やデジタル社会に対応する人材への投資

4. 日本経済の健全な発展への貢献

https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/joint-statement190124.html

第二、第三のコミットメントを見ると、AIを始めとする情報技術・デジタル社会へ監査業界が本腰を入れて対応していこうとしているのがわかります。オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授が2013年に論文「雇用の未来(The Future of Employment)」で会計士はAIに取って代わられる可能性の高い職業だと指摘したのは言われて久しいです。そこからずっと会計監査業界はAIに対して、時にはその脅威に怯え、時にはその可能性を夢見ています。今回は会計監査業界に限らず、仕事とAIがどのような関係にあるのか、考えたことを書いていきます。

AIは「知能を拡張する」ためのテクノロジー

AIは「人工的につくられた人間のような知能」をもつコンピュータであり、人間のテクノロジーです。何かを切る術は、歯で噛み切るところから、動物の歯の刃、石の刃、鉄の刃と変わってきました。人は何かをよりよく見るために眼鏡・コンタクトレンズを発達させてきました。このようにあらゆるテクノロジーは人間の身体性を”拡張”するものとして進化してきました。これはAIも変わりなく、AIは人間の脳が司る知能の拡張といえます。

AIが知能の拡張であるため、その拡張によって初めて世に生まれる仕事があります。第二次産業革命での鉄道や蒸気船という”足”の拡張が、人々に新しい移動手段を与え、遠隔地との取引というビジネスを生み出しました。同様にAIは仕事をなくすだけでなく、全く違う形で生産するのです。それでは、どのような仕事がAIによって減り、どのような仕事がAIによって増えるのでしょうか

AIで増える仕事・減る仕事:新しいスマイルカーブ

仕事はAIによって上記の図のように大きく3つに分割されるでしょう。つまり、①AIによって全く新しく生まれる仕事、②AIにとってかわられる仕事、そして③従来からあるがAIが消さないもしくは増加させる仕事の3分類です。そして、これらの3分類はその仕事のオリジナリティ(この世に全く同じ仕事が他にいくつ存在するか、1であれば自分だけ100であれば誰でも可能)によって分けられます。

わかりやすい、②から説明します。②の仕事はある程度のオリジナリティをもっています。具体的には、専門知識をもつ職業が広くこれに該当します。これらの仕事は現時点では、その保有している知識のために価値があるとされています。しかし、AIが知能の拡張として専門知識を誰にでも使えるように普及させたとしたら、知識の希少性はなくなり仕事の価値は消えていくでしょう。

次に、①AIによって増える仕事とは何でしょうか。ここを明解に述べることは難しいですが、AI・情報技術を利用して今までにない「面白さ」「役立ち」を新しくつくれることは重要でしょう。Uberはスマホアプリを利用して、空いている車で手頃に稼ぎたい人とより安く柔軟な移動手段を確保したい人の需要をマッチングしました。これにより両者にメリットを与えただけでなく、その基盤であるUberに莫大な利益をもたらしました。既存のタクシーを情報技術を使うことで違う形で新しくつくりなおしたのです。Uberは2018年12月時点で新規上場の手続きに入ったことが報道されており、その時価総額はおよそ13兆円とも言われています

それでは、③の従来からあるがAIによって減らない、もしくは増える仕事とはどんなものでしょうか。ここでは、コンビニの店員を考えてみましょう。日本にはいくつかの大手コンビニ・チェーンが存在しますが、基本的にどこの店員もバイトが多く、決められた仕事をこなします。そこには創意工夫は特にありません。今までに述べた考えによればAIに変わられてもいい気がしますが現状日本ではそうなっていません。ここには「AIで置きかえるより、人間の方が安あがり」という構造が存在します。現在の日本のコンビニは労働力として、賃金が安くても働いてくれる外国人労働者を使うという方法が少なからず存在します。また、Uberの例でもわかるように、AIによってプラットフォームがつくられることで、その上に多数の”コモディティ”な労働者が生まれることもあるのです。

ここまでで、AIによって仕事は新しく生まれるものがあり、消えて無くなるものがあり、変わらないか増えるものもあることを示しました。ではどうやったら②の消えてなくなる仕事に付いている人はどうしたら①の仕事に”ジョブチェンジ”できるのでしょうか。どうしたらオリジナリティを創造できるのでしょうか。様々な答えが考えられ、どれが正解とも言えないと思います。しかし、一つ言えることは既存の知識を徹底的に疑うことが重要なのではないでしょうか大勢の意見にNoを突きつける、人とは違う答えを探す、そんな姿勢が必要な気がしています。

これからも当サイトではITや会計を用いてオリジナリティのあることができないか模索していきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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